オンラインノベルRPG“螺旋特急ロストレイル”で活動中のPLブログですよー。
Posted by 柊木 - 2008.12.18,Thu
銀幕セキュリティ社に届いた一通の封書。
それは、悪役会のトップ、竹川導次からのものだった。
「原くん、本当に行くのかい?」
支度を整える原に、柊木が声を掛けた。その手には件の封筒があった。
「はい、今回の相手はあのキラー化したフランキー・コンティネントですから」
そう言って笑う原を、柊木は呆れたように見つめた。この青年は、散々ヒトに「あなたは頑固だ」という割には自分も頑固な所がある。
無論、本人に言えば否定するのだろうが。
手で封筒を弄びながら紫煙を吐きだすと、コートを手にした原が苦笑いを浮かべながらデスクへと歩み寄ってきた。
「無事で済まないことぐらい、理解しています。自分に大した力が無いことも」
「覚悟はできている、ということかね?」
原は柊木の射るような視線に怯みもせず頷く。
「この街は君たちのものだ。私たちムービースターは、ほんの少しだけ間借りしているにすぎない」
無造作に吸殻を押し付け封筒を手渡すと、柊木はゆっくりと立ち上がった。原が姿勢を正し、その姿を目で追った。
まるでこの街の「夢の終焉」を見据えるように窓の外を見ていた柊木は、不意に振り返ると不敵に微笑んだ。
「これは君たちファンやエキストラがこの街を取り戻す為の戦いなのだろう。……原くん、覚悟があるならば行ってきなさい。私は、そんな君たちの力になろう」
「柊木さん……」
危ないから行くなと、きつく止められるだろうと思っていた原は、呆気に取られた顔で柊木を見つめた後、踵を合わせて直立不動の姿勢で敬礼をした。
原に緩く敬礼を返した柊木は、いつものやわらかい笑顔を見せると、親指で事務所のドアを指示した。
「さあ、早く行ってきなさい、みんなが待っているだろうからね」
「はい、行ってきます!」
実の息子を見送るように、柊木は原が足早に部屋を出て行ってからも、しばらくの間、扉を見つめていた。
それは、悪役会のトップ、竹川導次からのものだった。
「原くん、本当に行くのかい?」
支度を整える原に、柊木が声を掛けた。その手には件の封筒があった。
「はい、今回の相手はあのキラー化したフランキー・コンティネントですから」
そう言って笑う原を、柊木は呆れたように見つめた。この青年は、散々ヒトに「あなたは頑固だ」という割には自分も頑固な所がある。
無論、本人に言えば否定するのだろうが。
手で封筒を弄びながら紫煙を吐きだすと、コートを手にした原が苦笑いを浮かべながらデスクへと歩み寄ってきた。
「無事で済まないことぐらい、理解しています。自分に大した力が無いことも」
「覚悟はできている、ということかね?」
原は柊木の射るような視線に怯みもせず頷く。
「この街は君たちのものだ。私たちムービースターは、ほんの少しだけ間借りしているにすぎない」
無造作に吸殻を押し付け封筒を手渡すと、柊木はゆっくりと立ち上がった。原が姿勢を正し、その姿を目で追った。
まるでこの街の「夢の終焉」を見据えるように窓の外を見ていた柊木は、不意に振り返ると不敵に微笑んだ。
「これは君たちファンやエキストラがこの街を取り戻す為の戦いなのだろう。……原くん、覚悟があるならば行ってきなさい。私は、そんな君たちの力になろう」
「柊木さん……」
危ないから行くなと、きつく止められるだろうと思っていた原は、呆気に取られた顔で柊木を見つめた後、踵を合わせて直立不動の姿勢で敬礼をした。
原に緩く敬礼を返した柊木は、いつものやわらかい笑顔を見せると、親指で事務所のドアを指示した。
「さあ、早く行ってきなさい、みんなが待っているだろうからね」
「はい、行ってきます!」
実の息子を見送るように、柊木は原が足早に部屋を出て行ってからも、しばらくの間、扉を見つめていた。
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名前:
柊木 新生
性別:
男性
年齢:
48歳
生年月日:
01月05日
詳しくはこちらを見てねー
◎上記イラストは、オンラインノベルRPG『螺旋特急ロストレイル』の世界観にもとづき、作成されたものです。
著作権は IL晏嬰 亮 にあります。
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